2019年06月28日
4-1 よく噛むだけで健康になる
「よく噛むと体によい」は常識といってもよい。食養法(玄米菜食健康法)でも勧めている。私は、今回、よく噛むことを勉強しなおしたが、内容が2つあることに気がついた。ひとつは健康法として、もうひとつは治療法として。
噛むことが体によい理由は沢山あるが、ここでは3つだけ取りあげる。
・よく噛むと唾液のなかに炭水化物の消化酵素(アミラーゼ)が出て、食物はよく消化され胃から腸にゆく。アミラーゼは胃では出ない。そのためよく噛まないと胃で炭水化物を消化できず未消化部分をのこしたまま腸にゆき、これが腐敗し血液をよごす。
・よく噛むことで満腹感がえられ少食になる。よく噛むとあごのうごきで脳が刺激され満腹感を感じ食欲をおさえる、などと説明されている。
・よく噛むと脂肪の多いものや肉が欲しくなくなる。よく噛んだ人の実感だが、よく噛むと食材の本来の味を感じるためではないかといわれている。
つぎは、噛むことの実際や効用である。
まず、健康法として。この場合、「よく噛むと口の中に唾液が出て消化が良くなる」といったことで勧められている。そして、「食事はゆっくりと」「固めのものも食べよう」などと付け加えられる。私は玄米食をはじめたとき、同時に、よくよく噛むことも実行した。そのため玄米食の効果は早く大きかった。その後、友人と昼食をとると、食べおわるのは私が一番最後のことが多かった。玄米を食べていたので、これで噛む習慣がつき、白米ごはんもよく噛んでいたのだ。
つぎは、治療法として。一部の指導者は、病人にてってい的に噛むことを勧めている。森下敬一(医師)はガン患者に「玄米は 100回噛め!」といい、岡田一好(医師)は難病人に「一口50回噛む」ことを勧めている。噛む回数は普通は一口15~30回だという。
ここでは神戸の開業医だった岡田一好の指導法を紹介しておく。
岡田は玄米菜食とよく噛むことをセットで指導していたが、患者によっては食事を指導せず、噛むことだけを優先させた。かれは著書『血液健康法』のなかで、自身の指導で重病を克服した19例を紹介している。つぎは、その一つである。
30代後半の女性Tは、重い糖尿病で眼底出血になり手術を勧められていた。岡田はTに「向こう八カ月の間に全快させてあげます」といったが、その指導内容は「三度三度の食事を一口50回必ず噛んでください」というだけで、食事の分量やカロ リーについては一切言わなかった。Tは一口50回噛むことを忠実に実施したところ、4週間目で目がよくなり、3か月で体重4キロ減、4ヵ月目で、岡田が「こんなに順調にいく人も少ない」と思うくらいに回復した。
私の事例も加えておく。私は4年前ほどまえに、あるきっかけでてってい的に噛みはじめた。当時、体重は私の希望より3キロ多く、皮膚炎もあった。ところが、食事は変えずにてっていして噛みはじめたところ、3ヵ月で3キロ減、皮膚炎もおさまった。私は絶大な効果におどろいた。この経験もあったため、この一節を設けた。
kenko7007 at 08:46│Comments(0)│食事法 終章