2019年06月27日
4-3 玄米菜食の落とし穴
私は16年ほど前に食養法を集中的に勉強した。そのころ、食養法の一部の指導者たちが早死にしていることを知った。業界で話題にもなっていたようだ。早死にとは70歳前後である。また、玄米菜食なのに亡くなった30代の女性の話も聞いていた。玄米菜食も肝心なところをまちがえると大変なのである。
ここでは玄米菜食の落とし穴として2つのことを取りあげる。
ひとつは「動物性食品はいっさいとらない」という落とし穴である。
動物性食品をいっさいとらないとどうなるか。若杉友子(食養家)は「肉はダメ、甘いものダメというけれど、菜食主義の人(マクロビアン)は、動物性のものは一切食べずに野菜類を食べているのに体が冷えて、一般の人と同じく貧血、冷え症、低体温の人が多い」と書いている(『体温を上げる料理教室』)。若杉は料理教室をひらき、そこに来る生徒の食生活と健康を観察してきた。なお、若杉と同じようなことは幕内秀夫(栄養士、食養家)の本にもでてくるし、ほかに指摘している人もいる。
マクロビアンとは食養法の一派である。今回、マクロビをかかげる食養推進団体2社の食事法を見てみた。2社とも標準食に動物性食品はなく、ある社は、動物性食品は控え目に、どうしても食べたいときは、たまに少量を、と付け加えていた。
私自身は「動物性食品はいっさい食べない」という人に出会ったことはない。ただ70代半ばで亡くなった男性に、もしかして動物性食品をとっていなかったのではと思うことがある。これは、70歳すぎに亡くなった食養法指導者についても同じである。
2-5でみたが食養法では動物性食品は食事全体の1割前後とする指導者が多い。人間に近い類人猿のすべては多少動物性のものを食べている。また、人間には犬歯がある。動物性食品を一切食べないのは不自然である。
つぎは「やせすぎ」という落とし穴である。
私は、これまで食養法を取り入れている人にたくさんあっている。そのなかでやせすぎと感じた人はいなかった。ただ、食養法指導者の写真を本でみると、明らかなやせすぎという人がいる。そして、この人たちのなかには70歳前後で亡くなった人がいる。また、80すぎまで生きたが、指導者としてはもう少し長生きしてほしかった人もいる。この人たちの死因を私がやせすぎと断定できないが、そう思いたくなるほどやせていた。
最近、コレステロールは少し高めの方が長生きするとか、やせすぎより多少太っていたほうが長生きするといったような統計結果が公表されている。それはともかく、やせすぎ、そして、その裏にある超少食はよくないのでないか。
(参考)
1.ガンなどの難病の人に一時的に動物性食品ゼロと指示する指導者がいる。ただ、これはあくまでも一時的である。
kenko7007 at 02:05│Comments(0)│食事法 終章