2019年06月19日
4-8 現代医学は診断学
ここまで慢性病の予防・治療のための食生活を書いてきた。それを行えば健康面で安泰な生活を送れる。しかし、医者の世話になることは必ずある。そのため現代医学(病院の医学)の特徴を知っておくことは大切だ。
現代医学の特質を知るために、2つの事例を紹介しよう。
・私がここ10数年、週に一度ほど通る道に「乳がん検診」と書いた大きな看板がある。私は通るたびに、なぜ検診であって治療でないのかと思ってきた。このクリニックは乳ガンと診断したら、治療はしないのか。
(コメント)慢性病については、現代医学の得意分野は診断であり、いっぽう、治療法はあまりもっていないことを示した事例である。このクリニックは、乳ガンと診断したら、治療は他の大病院を紹介するのか、患者自身にまかせるのか。
・リウマチの女性(50代)は2度も倒れたほどの重症だったが、食改善などで克服した。その後、クリニックにゆき、医者に「リウマチはどうし起きるのですか」と聞いたところ、医者は無言をつらぬき返事をしなかったという。
(コメント)現代医学は外面にでた症状をみて薬を処方する。そのため、症状の原因がなんであるかに関心がない。だから、医者は質問されても答えられなかったのだ。
現代医学(内科系)の得意分野は診断であり、治療法としての薬(化学薬剤)は一時的・応急的措置(対症療法)にすぎないことは、すべての医者は知っている。また、東洋医学系の人も含めた多くの医療関係者も知っている。しかし、この事実を公言する医者は少ない。でも、いないわけではない。3つ紹介しておこう。
・一患者の言葉から
「私は、病院を全面的に否定する者ではありませんが、若年より、肺結核、腸結核などで北大病院にお世話になったとき、教授の言葉が、「病院は、病気を発見するところで治すところでない!」ということでしたので、以後、このような認識をもっています」(鈴木弘一『自然食と玄米酵素』1975所収)
・小田慶一(医師)
「世の中にはさまざまな病気があるが、いろいろ検査をして、正確な病名がわかったなら適切な治療が受けられるというのは、根本的な間違い(幻想)であることを理解していただきたい」(『はぐれ医者の万病講座Ⅰ』1990)
・柴田二郎(医師)
「診断して病名が分かったところで、どうしようもない。医者にできるのはじっと経過を見守り、対症療法を施すことくらいである。医療はもはや病気に対して無力なのである」(『医療の常識を斬る』1997)
肩書、権威にまどわされず、医者のいう言葉を冷静に聞けば、現代医療の特徴がつかめることもあるのではないか。医者に過大な期待をするのは禁物である。
kenko7007 at 00:00│Comments(0)│食事法 終章