2019年08月06日
1-4 栄養学は二つある
次節以降に示す食事法の理解をしやすくする2つ目は、「栄養学は2つある」を知ることだ。
「栄養学は2つある」は私独自の表現である。しかし、食養法による食事改善をメインにして指導・治療をしている人たちは、皆、知っている。
2つあると聞いて不思議に思う人も多いと思うが、いまの日本には、おおまかに いって2つあるのが現実である。一つは現代栄養学。もう一つは食養法(玄米菜食健康法)である。前者はドイツ栄養学に影響を受けたもので公的機関や病院が採用している。後者は日本の伝統食(和食)をベースにしたもので、庶民のなかにそれなりに浸透している。
問題はそれぞれの食事内容である。
ここでは数項目について比較しておく。Aは現代栄養学系、Bは食養法系である。
・主食
Aは穀類などと表示し未精白か否かを問わない、Bは玄米や未精白穀物
・副食
Aは白米を認めるので副食の量は多くなる。白米ではビタミン・ミネラル・食物繊維が十分にとれない。Bは玄米や未精白穀物から栄養分がとれるので副食は少なめで、また、多くとることをいましめる。
・動物性食品(肉・魚・牛乳・乳製品)
Aは食事全体に占める動物性食品の比率は多め(たとえば25%前後)、Bは少なめ(たとえば10%前後)、Aは牛乳を推奨するが、Bはほぼ禁止
・塩分 Aは減塩、Bは減塩を勧めない
・その他
Bは一物全体食(できるだけ食材を丸ごと食べる)を勧める。胚芽や皮などからビタミン、ミネラル、食物繊維がとれるため。小魚なら骨ごと食べるとカルシュウムがとれる。Aはカロリー計算に熱心だが、一物全体には関心が低い。
現代栄養学と食養法について、上記の5つだけでは食事内容のイメージはつかめないと思うが、次節以降を読むとき、「栄養学は2つある」を頭の片隅においていただきたい。私がこの冊子で勧めるのは食養法である。
kenko7007 at 00:01│Comments(0)│食事法 序章