2019年07月30日
2-3 玄米批判にまどわされるな
食養法は玄米(又は未精白穀物)中心の食事法である。
ところが、玄米にはいわれなき批判がある。ここではそのうち2つを取り上げ、解説を加えておく。
(批判1)玄米を食べると骨が弱くなる
玄米の表皮にはフィチン酸(リン酸化合物)が含まれる。フィチン酸は体内のビタミン・ミネラルと結合し体外に排出する作用をもつ。当然、体内のカルシュウムとも結合して排出する。そのため玄米食にすると骨が弱くなるという批判がある。
これについて、ある食品会社は「玄米はビタミン・ミネラルを少し排出するが、それでも玄米自体に十分な量のビタミン・ミネラルが含まれているから問題ない」と解説している。
私はこれが正当だと思う。というのは私自身も玄米を食べているが骨は丈夫である。また、私の知人の多くの玄米食者も同じである。
米糠(胚芽・表皮)は豚や養殖魚のエサになっている。もし糠(ぬか)が骨を弱くするなら養殖業者は使わないし、豚や魚も食べないだろう。
(批判2)玄米は消化が悪い
玄米は白米にくらべ消化が悪いから良くないとの批判がある。でも、私は玄米食を長年つづけている人たちから「消化が悪い」と聞いたことはまったくない。歯が悪く玄米を苦手とする年配者はいるが。
食材のなかで「消化が悪いもの」は何だろうか。諸資料で調べたところ、消化が悪いのは、ゆで卵、目玉焼き、テンプラ、かまぼこ、油揚げ、うなぎ、肉類、貝類、イカ、タコなどだった。いずれも油分が多い食材だ。もちろん玄米は入っていない。
玄米と白米の消化に関し、先の会社は「幾つかの研究報告では、玄米食の消化吸収はわずかに白米に劣る。しかし、栄養素の量は、玄米が断然多いので、わずかな吸収率の差は問題にならない」と解説している。
(参考)
フィチン酸はダイオキシンやカドミウムなどの体内の有害物質と結合して対外に排出することは、それなりに知られている。
kenko7007 at 21:39│Comments(0)│食事法 総論