2019年07月18日
2-10 冷え症
健康を維持・向上させるためには、冷え症を理解することはとても大切である。
冷え症とは手、足、お腹などが冷え、それを本人が感じることである。もっとも本人が感じないのに体が冷えていることもあり、こちらも問題がある。
私は40数年前に食養法の勉強をはじめたが、当時は陰性・陽性体質、陰性・陽性食品の解説はあったが、冷え症という独立した項目はなかった。ところが今では、「冷え」が入った書名の本が何十冊もある。冷え症が日本人に広がったためではないか。
冷え症は冷えをがまんして耐えるだけですむなら、さほどの問題はないかもしれない。しかし、冷え症からの病気はたくさんある。冷え症がもとで起きる病気で私が一番出会うのは腰痛かと思う。
ここでは佐藤巳代吉(医師)の解説を紹介しておく。佐藤は東洋医学を治療に取り入れている。
佐藤は冷えと病気・症状の関係を2つに分けて解説している。
「冷えが原因で起こったと考えられる症状」
・疼痛(腰痛、頭痛、座骨神経痛、下肢痛、頸肩腕症候群、多発性神経炎、
手関節痛、肩甲関節周囲炎)
・呼吸器症状(咳、気管支ぜん息、はな水、風邪引きやすい)
・冷え(手足の冷え,手足のしびれ、さむけ)
・循環器症状(心臓不快感、めまい)
・消化器症状(下痢、食欲不振、腹痛)
・その他(疲れやすい、耳鳴り)
「冷えと関係が少なくないと考えられる疾患」
「これまでの臨床経験から、冷えと関係が少なくないと考えられた症状や疾患は次のようなものがあげられます。自分は冷えを自覚していなくても、体に冷えが潜んでいて、それがいろいろな症状をつくり、回復を遅らせている場合があります。
たとえば、疲労倦怠感、花粉症、気管支ぜん息、風邪を引きやすく長引く、アト ピー性皮膚炎、神経痛、関節痛、リウマチ、手足のしびれ、偏頭痛、低血圧症、めまい、動悸、狭心症、不妊症、頭重、食欲不振、下痢、便秘、頻尿、耳鳴りなどの症状を訴えます。言葉をかえれば「冷え」は体調をくずす隠れた仕掛け人といっても過言ではないでしょう」(『新・東洋医学の知恵』)
冷えを防ぐうえでもっとも大切なのは食事である。食養法を取り入れればよいが、個々の注意点は次節以降で解説する。
(参考)冷えは自覚できないケースがある。この場合、病気や症状から自分が冷え症であることを推定し、冷えをとる食事法などを行う必要がある。
kenko7007 at 00:19│Comments(0)│食事法 総論