食事法 序章

2019年08月12日

1-1 「おどろくほど健康になれる」とは

 食生活を改善すると、いやな症状や病気がおどろくほど回復するということは、過去16年間の見聞にもとづく私の実感である。だが、「おどろくほど健康になれる」の表現は鶴見隆史(医師)の本を参考にしている。鶴見は開業医で、食改善と健康食品をメインに治療にあたっている。鶴見は沢山の本を書いているが、ある本で「(食改善と健康食品などで)おもしろいほど病気が治る」といったことを書いていた。もっともかれもガンやリウマチは簡単ではないといったことを付け加えていた。

 鶴見と似たことは多くの食養法(玄米菜食健康法)の指導者がいっている。


 ここでは鈴木弘一(医師)の一文を紹介しておく。鈴木も食改善と健康食品などで治療をしている。

「これらの病気(糖尿病・慢性肝炎・胆のう炎)にかかっても、あわてず騒がず、じっくりと、食生活を玄米菜食の方向に改善したり、断食したりしていけば、必ずや容易に治るはずだ。筆者の診療所には、さまざまな難病の患者(たとえば、手おくれのガン、頑固なリュウマチなど)を多数受診するが糖尿病や肝臓病の患者がおとずれてきたときは、殆どの患者が全治するので大歓迎である。それほど、現代医学でもてあまされたこれら難病も、食生活や漢方で働きかけたら、おもしろいぐらいよく治る。筆者の腕がよいから治るのではない」(『病は敵ではない』1979)


 なお、ひとこと付け加えておく。ガンとリウマチは食養法をもってしても治りにくいというのは定説かも知れない。しかし、治った事例はたくさん報告されているし、私もけっこうな数の治った人にあっている。「ガンやリウマチが治りにくい」というのは治らないということではない。相対的に治る確率が多少低いといったことである。


目 次



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2019年08月08日

1-2 「健康」とは

「おどろくほど健康になれる」と書いてきたが、では、その「健康」とはどんな状態なのか。

 体のあちこちに何カ所もの不快症状をもっている人がいる。自分のことを「病気の問屋」という人さえいる。このような人は「健康」をイメージできないのではないか。そこで、「健康」を考える材料として私自身のここ15年間ほどのことを紹介しておく。

 私は風邪を引くのは3年に1度位である。それも軽いもので仕事を休むことはない。
 私は、いいしれぬだるさ・疲労感はない。働き過ぎると確実に疲れるが、休憩すると回復し元気になる。
 頭痛、めまい、口内炎になったことはない。
 腰痛、膝痛の経験もない。
 しっしんや皮膚炎になったことは3~4度ある。食べすぎが主因のこともあったが、食事を減らして自力で回復した。
 ぼけもない。70代後半の私であるが、人の名前などの記憶力は50代、いや40代後半の人と変わらないと思う。1年前、運転免許の更新で認知症のテストを受けたが高得点の方で合格した。ただし、漢字の記憶力や各種の計算能力は落ちており、記憶全般で50代ということはない。

 以上、私の例で恐縮だが、「健康」とはこれくらいの状態かと思う。
 これくらいの人はそれほどいないと思うが、私の健康仲間ではごく普通のことである。



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2019年08月07日

1-3 日本人を不健康にした4つのこと

 ここからは「おどろくほど健康になれる」食事法を示すが、その前にその理解をしやすくするため2つのことを紹介しておく。
 この節では、日本人を不健康にした4つのことを取り上げる。

 4つとは白米、白砂糖、獣肉・牛乳・乳製品、薬(化学薬剤)である。

・玄米から白米に
 江戸時代の元禄期(1680~1709)以降、江戸などの都会で白米が食べられるようになり脚気(かっけ、足の感覚がマヒしたり全身がだるくなったりする病気)が多発した。白米は今では常食となっており日本人の体力を弱めている。

・白砂糖の普及
 白砂糖が諸病をもたらすことは常識に近い。虫歯になりやすいことはもちろん、骨粗鬆(こつそしょう)症、アレルギー体質、頭痛、認知症、ガンなど砂糖が主因となる病気はたくさんある。白砂糖は江戸時代中期からあるが、広く普及したのは第一次大戦(1914~1918)後のようだ。

・獣肉・牛乳・乳製品の普及
 動物性食品は魚中心の日本で、明治以降、獣肉・牛乳・乳製品が飲食されるようになった。そして、食生活の欧米化といわれる時代(1970年以降)になって沢山食べられるようになり、ガン、糖尿病、アトピーなどが広まった。

・薬(化学薬剤)の多用
 薬の副作用の害は大きいが、薬は薬剤性の病気もつくっている。薬剤性肺炎、薬剤性パーキンソン症候群、薬剤性腸炎、薬剤性の認知障害など薬による病気はたくさんある。薬がいつころから多用されるようになったかは判然としない。ただ対前年比でみると1970年頃から増加のスピードが上がっている。

 以上、日本人を不健康にしたものを4つにしぼって紹介した。いずれも健康になるためには無視できないものである。



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2019年08月06日

1-4 栄養学は二つある

 次節以降に示す食事法の理解をしやすくする2つ目は、「栄養学は2つある」を知ることだ。
 「栄養学は2つある」は私独自の表現である。しかし、食養法による食事改善をメインにして指導・治療をしている人たちは、皆、知っている。

 2つあると聞いて不思議に思う人も多いと思うが、いまの日本には、おおまかに いって2つあるのが現実である。一つは現代栄養学。もう一つは食養法(玄米菜食健康法)である。前者はドイツ栄養学に影響を受けたもので公的機関や病院が採用している。後者は日本の伝統食(和食)をベースにしたもので、庶民のなかにそれなりに浸透している。

 問題はそれぞれの食事内容である。

 ここでは数項目について比較しておく。Aは現代栄養学系、Bは食養法系である。
・主食
 Aは穀類などと表示し未精白か否かを問わない、Bは玄米や未精白穀物
・副食
 Aは白米を認めるので副食の量は多くなる。白米ではビタミン・ミネラル・食物繊維が十分にとれない。Bは玄米や未精白穀物から栄養分がとれるので副食は少なめで、また、多くとることをいましめる。
・動物性食品(肉・魚・牛乳・乳製品)
 Aは食事全体に占める動物性食品の比率は多め(たとえば25%前後)、Bは少なめ(たとえば10%前後)、Aは牛乳を推奨するが、Bはほぼ禁止
・塩分 Aは減塩、Bは減塩を勧めない
・その他
 Bは一物全体食(できるだけ食材を丸ごと食べる)を勧める。胚芽や皮などからビタミン、ミネラル、食物繊維がとれるため。小魚なら骨ごと食べるとカルシュウムがとれる。Aはカロリー計算に熱心だが、一物全体には関心が低い。

 現代栄養学と食養法について、上記の5つだけでは食事内容のイメージはつかめないと思うが、次節以降を読むとき、「栄養学は2つある」を頭の片隅においていただきたい。私がこの冊子で勧めるのは食養法である。



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